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組織開発に有効なフレームワーク5選|手順や人材開発との違いも解説
組織開発を進めるために有効なフレームワークを知りたいけれど、どのようなものがあるか分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、組織開発の概要や手順、有効なフレームワークを紹介します。
目次
組織開発とは、所属する人と人の相互作用により組織を活性化させる取り組みのこと
組織開発とは、組織に所属する人と人の相互作用により、組織を変化させ活性化させる取り組みのことです。英語でOrganization Development と言われ、頭文字を取りODと呼ばれています。組織開発は、従業員のモチベーションの上昇によるパフォーマンスの向上を通じて、組織としての力を最大限に発揮させることを目的に行われます。
組織開発が必要とされる背景
近年、終身雇用や年功序列制度が崩壊し、雇用の流動化や従業員の多様化が進んでいるため、従業員同士の関わり方が変化しています。関わり方の変化により、従業員同士のコミュニケーションが不足してしまい、業務に悪影響をおよぼしてしまうという問題が起きています。
そのため、仕事のやり方や意思決定の仕方、関わり方などを見直して活性化するための組織開発が必要だと言われています。
人材開発との違い
人材開発とは、個々の従業員の能力を高めることで組織の成長を図る取り組みを指します。人材開発の対象者は従業員などの「人」で、個人への育成施策を講じることで組織の成長へつなげます。
一方で、組織開発は従業員同士の関係性を向上させることで組織の成長を図ります。「人」が対象の人材開発とは異なり、組織開発の対象は従業員同士の「関係性」や「相互作用」です。人材開発では、問題の原因が個々の従業員にあると考えるのに対して、組織開発は従業員同士の関係性にあると考えます。また、原因となる対象が異なるため、課題に対する施策も変わります。
組織開発の手順
組織開発は、一般的に以下の流れで行います。
- 組織としての目的を明確にする
どのような組織を目指すのか言語化して、組織としての目的を明確にします。 - 現状を把握し課題を絞りこむ
従業員へのヒアリングなどをもとに組織の現状を把握して、課題を絞り込みます。 - アクションプランを設定する
絞り込んだ課題の仮説を立て様々な角度から検証を行い、アクションプランを設定します。 - スモールスタートで始める
設定したアクションプランはいきなり全社で始めるのではなく、特定の部門やチームに絞り試験的にスモールスタートで始めます。 - 施策の効果検証を行う
施策の効果や今後に向けた課題点の把握などの効果検証を行います。効果検証と現場へのフィードバックをタイムリーに行うことで、組織開発へのモチベーションが向上します。 - 成功事例を全社で展開する
成功した理由やポイントを整理・分析してまとめ、全社で展開できるようにします。
組織開発に有効なフレームワーク
組織開発に有効なフレームワークには、以下のものがあります。
ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)
「ミッション・ビジョン・バリュー」とは、企業理念を構成する要素を定義するフレームワークのことです。英語のミッション(Mission)・ビジョン(Vision)・バリュー(Value)の頭文字を取りMVVとも呼ばれます。
ミッションは、企業の存在意義や使命を言語化したもので、経営判断や意思決定の際の指針になります。ビジョンは、企業の将来像やありたい姿、目指している姿のことです。バリューは、企業が提供する価値や行動指針のことです。
組織開発において「ミッション・ビジョン・バリュー」は、組織の目指すべき方向と中長期的な企業活動を実現するために、社内に浸透させることが重要です。
「ミッション・ビジョン・バリュー」の詳細や作成手順については、以下の記事をご参照ください。
コーチング
コーチングとは、相手の気づきに重点を置き、能力を引き出して相手の目標達成をサポートするフレームワークのことです。コーチングによって、部下自身が目標達成のために自発的に行動できるように促します。
元々、人材開発のフレームワークとして利用されていましたが、近年では部下の成長が組織を発展させる推進力になるため、組織開発においても用いられています。
「コーチング」の詳細とコツは、以下の記事を参考にしてみてください。
フューチャーサーチ
フューチャーサーチとは、利害関係が複雑な状況でも民主的な話し合いによって解決策を見出すためのフレームワークのことです。フューチャーサーチは、社員以外に利害関係の異なるステークホルダーを集め、過去と現在の状況について共有した上で、皆が望む未来を確認します。利害関係の異なるステークホルダー同士が議論することで、協力関係を構築し自己の責任においてアクションプランの作成を行います。
フューチャーサーチは、3日間のスケジュールで、一般的に60名程度の参加者を集め、6〜8グループに分かれ議論を行います。
OKR
OKRとは、組織・個人の目標を明確化させるための目標管理方法のフレームワークのことで、英語のObjectives and Key Resultsの頭文字を取りOKRと略されます。OKRを通じて、組織と個人の目標をリンクさせられるため、従業員が目標の実現に向けて同じ方向性で行動することができます。
「OKR」の詳細は、以下の記事をご参照ください。
7S
7Sは、組織の経営資源となる7つの要素の相互関係を考えるためのフレームワークです。経営資源には、4つの「ソフト面のS」共通の価値観/理念(Shared value)・経営スタイル/社風(Style)・人材(Staff)・スキル/能力(Skill)と、3つの「ハード面のS」戦略(Strategy)・組織構造(Structure)・システム/制度(System)があります。この7つの経営資源をもとに、企業にとって最適な戦略を考えます。
「7S」の詳細は、以下の記事をご参照ください。
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