KPIについてわかりやすく解説｜メリットや設定する方法、事例を紹介

ビジネスで目標を達成するためには、それを計測する方法が必要です。そこで役立つのがKPIです。
今回は、KPIの概要やメリット、設定する方法をわかりやすく解説します。

KPIとは目標達成のための道しるべのこと

KPIはKey Performance Indicatorの頭文字をとった言葉で、日本語では「重要業績評価指標」を意味します。KPIとは目標達成のための道しるべのことで、目標を達成するにはどの時点でどこまで進んでおくべきなのかを数値で示します。これにより、目標達成のためのプロセスが正しく行われているかを評価することができます。

KPIの関連用語

• KGI
  KGIはKey Goal Indicatorの頭文字をとった言葉で、日本語では「重要目標達成指標」を意味します。KGIとは最終的なゴールのことで、任意の期間で何をどの程度達成するのかを数値で示します。

• KFS
  KFSはKey Factor for Successの頭文字をとった言葉で、日本語では「重要成功要因」を意味します。成功するのに必要な要素のことで、これを数値化したのがKPIです。

• OKR
  OKRとはObjectives and Key Resultsの頭文字をとった言葉で、日本語では「目標と主要な結果」を意味します。目標とその達成度を図る指標を合わせて管理する手法のことを指します。

職業別KPIの例

マーケティングKPIの例

• リード数
  新しい潜在的な顧客や取引先をどれだけ獲得できたかを示す指標のことです。
• コンバージョン率
  Webサイトの訪問者やリードが、実際に商品を購入するなどの目的のアクションをとった割合のことです。
• 顧客獲得コスト (CAC)
  1人の新しい顧客を獲得するためにかかったコストのことです。
• 平均取引価格 (AOV)
  1回の取引あたりの平均販売価格のことです。
• 離脱率 (Churn Rate)
  一定期間内にサービスや製品を停止した顧客の割合のことです。
• メール開封率
  メールマーケティングにおいて、送信されたメールが開封された割合のことです。

営業KPIの例

• 売上目標達成率
  設定された売上目標に対する実際の売上の達成度合いのことです。
• 新規顧客獲得数
  任意の期間内に獲得した新規顧客の数のことです。
• リードコンバージョン率
  アプローチした見込み客（リード）の中で、実際に契約や購入に至った顧客の割合のことです。
• 顧客維持率
  一定期間内に再購入や再度サービスを利用した既存顧客の割合のことです。
• 営業活動数
  営業担当者が一定期間内に行なったアクションの数のことです。（例：コール数、商談数）
• 契約更新率
  契約ベースでのビジネスの場合、一定期間内に契約を更新した顧客の割合のことです。

人事KPIの例

• 離職率
  一定期間内に退職した従業員の数を全従業員数で割った割合のことです。
• 新規採用数
  一定期間内に新たに採用した従業員の数のことです。
• 採用コスト
  1人の従業員を採用する際の平均コストのことです。
• 研修効果
  新人研修やスキルアップ研修後の知識やスキルの向上度のことです。
• 内部昇進率
  一定期間内に内部から昇進した従業員の割合のことです。
• 福利厚生の利用率
  提供する福利厚生の利用者数や頻度のことです。

KPIを設定するメリット

個人の指標が明確になる

KPIを設定することで個人の指標が明確になるため、社員それぞれが目標を達成するにはどうすれば良いのか理解しやすくなります。個人が取るべき行動が明確になれば、目標達成へのプロセスを着実に進めることができます。

評価基準を統一できる

KPIは中間目標を数値で定量的に表すため、評価基準を統一できます。これにより、不透明な人事評価が社員のモチベーションを低下させ、会社の生産性を損なうリスクを回避できます。また、自分の成果が目に見えてわかるため、生産性も上がります。

組織のモチベーションが上がる

KPIで社内の目標を共有することで、組織のモチベーションが上がり、生産性も上がります。また、目標達成へのプロセスで課題が発生してもすぐに共有できるため、社内の結束力を上げることも可能です。

KPIを設定する方法

1. KGIを設定する

KPIとは目標を達成するための指標なので、先に目標となるKGIを決めなければいけません。KGIを設定する際はチーム内で何を目標に活動するのかを擦り合わせる必要があります。目標を決めた後は、定量的に計測できる指標を作ったり、期限を決めたりなど、詳細を詰めましょう。

2. KFSを設定する

次はKGIを達成するためのKFSを設定します。以下がKFSを設定するための手順です。

1. プロセスを洗い出す
   KGI達成に必要なプロセスを洗い出し、時系列に並べます。
2. 数値化する
   それぞれのプロセスを具体的に数値化します。
3. 分類する
   チーム内でコントロールできるものと、できないものの2つに分類し、チーム内でコントロールできる分類の中から、KGIの達成に影響を及ぼす重要な順に並べ替えます。
4. KFSを選択する
   プロセスを選別してKFSを決定します。

3. KPIを設定する

KFSの特定によって明確になったKGI達成に必要な成功要因を、KPIとして数値化した指標に変換していきます。注意点として、KPIが増えるほど管理が複雑になり、作業効率が落ちるリスクがあるため、重要なプロセスのみを対象にしましょう。

KPIを設定する際は「SMARTの法則」を意識する

KPIを設定する際は「SMARTの法則」を意識しましょう。SMARTとは以下の5つの英単語の頭文字で、目標達成のための重要な要素です。

• Specific（具体的な)
• Measurable（測定可能な）
• Assignable（誰がやるのか割り当て可能な）
• Realistic（現実的な）
• Time-related（期限が明確な）

この5つを意識することで、より目標を達成しやすくなります。

SMARTの法則を紹介している記事もありますので、合わせてご覧ください。

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