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リーンスタートアップのカギとなるMVPとは|設定方法や注意点を解説

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MVPをご存知ですか?新規事業を低コスト・短期間で生み出すための手法であるリーンスタートアップの中で、仮説の検証に用いられるのがMVPです。

本記事ではMVPのメリットやデメリット、設定方法を解説します。

MVP(Minimum Viable Product)とは、必要最小限の機能を備えたプロダクトのこと

MVPは「Minimum Viable Product」の頭文字を取った略語であり、日本語に訳すなら「実用最小限の製品」となるでしょう。その名の通り、顧客が求めると想定される最小限の機能のみを搭載した製品のことを指します。実際に製品やサービスを作成するほかにも、ランディングページ(LP)やデモ動画を用意してニーズを調査するスモークテストも広義のMVPに入ります。

MVPはリーンスタートアップの過程で用いられます。新規事業を立ち上げるための手法であるリーンスタートアップでは最初に事業のターゲットとなる人々のニーズを想定しますが、その想定が正しいかどうかを実地試験するのがMVPの役割です。

リーンスタートアップについては、以下の記事もご参照ください。

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MVPはまだニーズが明確に分かっていない市場に対して効果的

必要最小限の機能しか持たないMVPは低コストで素早く市場に出せるため、顧客の生の声をいち早くキャッチすることができますし、それを基にした修正も簡単に行えます。つまりMVPは、まだニーズが明確に分かっていない市場で実地試験をする手段として効果的なのです。

逆に言えば既にニーズが分かっている場合、最初から完成品を作ればよいためMVP作成の必要はありません。

MVPが目指すのはPMF

MVPがニーズを適切に捉えているかどうかは、それがPMFという状態になっているかどうかで判断します。PMFとはProduct Market Fitの略語で、日本語で言うと「製品が市場に適合している状態」です。

PMFはプロダクトが適切な市場に受け入れられていること、その市場の顧客がプロダクトに満足していることを同時に満たした状態を指します。そのため顧客が満足していない状態はもちろん、予想だにしない市場で爆発的に売れたとしても適切な市場ではない以上、PMFを満たしていないことになりMVPとしては失敗です。

MVPのメリット

製品の必要性を調査できる

ニーズを調査する中で、その内容以上に調べにくいことが、どのくらいの人々にどの程度必要とされているかという必要性の程度の問題です。MVPは実際に市場に出して反応を確認するという形で調査を行うため、この問題に対しても有益なデータをもたらしてくれます。

コストと時間が抑えられる

機能が最小限であるMVPの制作は、コストと時間を抑えて行うことができます。MVPはリーンスタートアップのために用いられる手段ですが、リスクの多いスタートアップの中でコストと時間を抑えてニーズを調べられることは大きな利点と言えます。

市場へ素早く参入できる

MVPは製作が簡単であるため素早く市場に出せるという特徴もあります。それによって、同時期に同じ市場への参入を計画し始めた競合他社よりも早く商品を出すことができ、顧客からの認知度で差をつけられる可能性があります。

MVPのデメリット

会社の評価が下がるおそれがある

MVPは顧客のニーズに対する実地試験としての側面が強いため、搭載した最小限の機能がニーズとは違っていた場合、不十分な出来の商品を市場に出すことになります。近年はSNSなどで情報が即座に広がるため、商品の不出来さが大々的に拡散されてしまうと、ダメな製品を出す会社として顧客に印象付けられてしまう可能性があります。

適さない業界がある

MVPは顧客の反応をフィードバックとして改良を繰り返していくことを前提としているため、このプロセスが行いにくい業界ではMVPは適さないでしょう。例えば必要最小限の機能だけにしてもコストや時間がかさむ業界や、改良よりも新製品のニーズが高い業界の場合、MVPの使用はあまり適していません。

MVPの設定方法

1. 仮説構築

まず初めに新事業や新製品はどのような人々がターゲットとなるか、そして彼らがどのようなニーズを持っており、そのニーズにどのような機能を持つ製品が応えられるかを考察します。この仮説を基にMVPを作成していきます。

仮説を構築する際はリーンキャンバスが役立ちます。リーンキャンバスについては以下の記事も参照ください。

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2. MVP作成

構築した仮説を検証するために必要な機能だけを搭載したMVPを作成します。

サービスのMVPを作成するならば、この時はまだ自動で回すシステムを構築せずに人力で行うようにしましょう。例えば登録者の情報から自動で就職先をマッチングするアプリを作る場合、その機能に対するニーズ自体は手作業でも調査できる上、安上がりで済み必要性に対する手応えも感じやすくなるため、MVPの時点では人力で作る方が良いでしょう。

3. 発売・観測

作成したMVPを実際に市場に出し、利用した顧客の反応を観測します。アンケートやインタビューで満足しているところや改善してほしいところなどを聞き出しましょう。

4. データ検証・方針決定

顧客から得たフィードバックを検証し、今回の仮説が正しかったのかどうかを確認します。こうして得られた結果をもとに、現在のMVPに新たな機能を足すのか、別の機能のMVPを作成してみるのか、あるいは仮説の再検証に戻るのかを決定します。必要な場合には撤退することも視野に入れましょう。

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