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TPOSとは?顧客目線を理解するための切り口について解説します
TPOSは「Time(時間)」「Place(場所)」「Occasion(場面)」「Style(ライフスタイル)」の頭文字から成る、顧客の視点から製品やサービスを適切に市場に配置するためのマーケティングフレームワークです。
今回は、TPOSの概要や各要素の詳細、活用事例、その他のマーケティングフレームワークとの比較を解説します。
目次
TPOSとは、顧客の目線を理解するための切り口のこと
TPOSは「Time(時間)」「Place(場所)」「 Occasion(場面)」「 Style(ライフスタイル)」の頭文字をとった言葉で、製品・サービスを顧客の視点から評価し、市場に適切に配置するためのフレームワークです。
TPOSは経営コンサルタントの渥美俊一氏が提唱した考え方で、製品・サービスの開発や提供時に、顧客目線から適切な「タイミング・場所・場面・ライフスタイル」を考慮することが重要であるとされています。
TPOSの各要素
Time(時間)の重要性
「Time」は、製品・サービスを利用する時間帯や頻度に注目し、これをマーケティングや商品開発に活かす要素です。例えば、朝の忙しい時間に活用する朝食製品や、週末のリラックスタイムに使われる娯楽商品など、時間帯に特化した商品開発が可能です。
Place(場所)の考慮
「Place」は、製品・サービスが使用される場所を指し、この情報を利用して製品・サービス開発やマーケティング戦略、販売戦略などを立案します。例えば、自宅用のリラクゼーション商品やオフィス用の生産性を高めるツールなど、場所を意識した商品展開が求められます。
Occasion(場面)の活用
「Occasion」は、商品が使われる具体的な場面や状況を捉え、それに合った商品開発やマーケティングを行います。例として、特定のイベントや活動で使われるスポーツ用品や、特別な日の贈り物としての高級品などがあります。
Style(ライフスタイル)の組み込み
「Style」は、顧客のライフスタイルや嗜好を理解し、それに合わせた商品やサービスを開発することを意味します。これにより、顧客が実際に興味を持ちやすい製品を提供できます。例えば、エコ意識が高い消費者向けに環境に優しい製品を開発したり、アクティブなライフスタイルを送る人向けに耐久性の高いアウトドア製品を提案するなどがあります。
実際のビジネスでのTPOS活用事例
小売業界
小売業界では、より効果的な商品展示や販売戦略を立てるために、TPOSを用いて顧客が製品を購入する際のニーズと状況を理解することが重要です。
例えば、「Occasion(場面)」に基づき、特定のイベントや季節に応じた商品展開とプロモーションを実施します。母の日、クリスマス、バレンタインデーなどのイベントの際に、顧客が関連商品を容易に見つけられるようにすることで、購買意欲向上につなげられます。
IT業界
IT業界では、TPOSをもとに製品・サービスが顧客の実際の使用状況やニーズに合致するのかを確認するために活用されます。
例えば、リモートワーク支援ツールの開発では、「Place(場所)」「Occasion(活用場面)」の要素が重要視され、ユーザーが自宅やカフェなど、さまざまな場所で快適に作業できる機能を組み込んでいます。
ヘルスケア業界
ヘルスケア業界では、生活様式に合わせた治療プログラムの提供にTPOSが活用されます。
例えば、糖尿病患者向けの管理プログラムでは、「Time(時間)」を考慮して、患者が日常生活で薬を飲むタイミングや食事の管理をしやすいサポートツールを提供しています。「Style(ライフスタイル)」の観点からは、患者の活動レベルや食生活の嗜好に合わせたカスタマイズが可能です。
TPOSと組み合わせると効果的なフレームワーク
TPOSは、顧客の具体的なニーズに把握するために有効ですが、他のフレームワークと組み合わせることでさらに大きな効果を発揮することができます。
以下に、TPOSと組み合わせて効果的に機能するいくつかのフレームワークを紹介します。
ペルソナ
ペルソナでは、年齢、性別、職業などに基づいた架空の顧客像を作り上げ、その顧客の行動や好みを想定します。これに対して、TPOSは「Time」「Place」「Occasion」「Style」という具体的な条件をもとに、顧客の実際の行動やニーズを捉えます。
TPOSを用いて顧客の日常の行動パターンや好みを理解し、その情報をペルソナに反映させることで、製品・サービスの設計、マーケティング戦略が現実の顧客行動に合わせて行われるため、効果的な結果が期待できます。
「ペルソナ」の詳細は、以下の記事をご参照ください。
4P
4Pは「商品(Product)」「価格( Price)」、「プロモーション( Promotion)」「 流通(Place)」の4つの切り口からマーケティング戦略を考えます。
TPOSと組み合わせることで、これらの要素を顧客の時間、場所、場面、ライフスタイルに合わせてさらに最適化できます。
「4P」の詳細は以下の記事をご参照ください。
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監修 | |
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Baseconnect株式会社 マーケティングチーム マネージャー 河村 和紀(かわむら かずき)大手人材紹介会社に新卒入社。その後、Webメディア「ferret」を運営する株式会社ベーシックに入社。営業、営業企画、イベントマーケを経て、マーケティングマネージャーに就任。 2022年、Baseconnect株式会社に参画。イベントを中心とした、ユーザーとのコミュニケーション領域を管轄する。主な寄稿実績『マーケター1年目の教科書』、『MarkeZine(マーケジン) vol.66』 |