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CFT分析とは?事業ドメインの設定への活用方法を解説します
CFT分析という言葉を聞いたことはありますか?
これは、経営計画・事業計画の策定の際に重要な役割を果たすフレームワークです。
今回は、CFT分析を活用する場面と方法、活用時のポイントについて解説します。
目次
CFT分析とは、事業ドメインの設定に用いられるフレームワークのこと
CFT分析とは、経営学者のデレック・エイベルが提唱した、事業ドメインを設定する際に用いられるフレームワークのことです。「Customer(顧客)」「Function(機能)」「Technology(技術)」の頭文字を取ったもので、この3つの要素から事業ドメインの設定を行います。
事業ドメインとは、企業が経済活動を行う事業領域、または主力事業の範囲を指す言葉です。
事業ドメインについては、次の記事も参考にしてみてください。
事業ドメインの設定は、不要な多角化を避けるために必要
事業の多角化は、企業が競争力を維持していくために有効な手段です。しかし、企業の経営資源が有限である以上、必要以上に多角化を展開した場合、一つひとつの事業に割り当てられる資源が足りなくなり、かえって競争力を下げるおそれがあります。
事業ドメインを設定して投資すべき事業の範囲を明確に把握しておけば、不要な多角化を避けることができます。
また、事業ドメインを設定することで、自社の顧客となっている層を明確にできます。顧客層が明確になれば、その層に対して売り込むべき商品・サービスや、意識すべき競合他社も決まります。
SWOT分析との違い
事業戦略の策定に用いられるフレームワークとして、CFT分析の他にSWOT分析があります。SWOT分析とは、強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)・脅威(Threats)の4つの要素によって、企業の内部環境・外部環境を分析する手法です。
SWOT分析については、次の記事も参考にしてみてください。
SWOT分析は、戦略を実行した後の検証に用いられるツールです。これに対し、CFT分析は事業戦略の基礎となる資源配分を考えるためのツールです。
事業ドメインを設定する流れ
1. 3C分析でKFSを抽出する
まずは3C分析で市場におけるKFSを抽出します。KFCはKey Success Factorの略であり、事業が成功するためのカギを指します。
3C分析は市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)から市場の状況を分析するフレームワークです。3C分析については以下の記事を参考にしてください。
2. CFT分析で事業ドメインを設定する
CFT分析で、誰に何をどのように提供するかを決定していきます。この際の「誰に」「何を」「どのように」のそれぞれを、CFTの3つの評価軸で選定します。CFTの3つの評価軸については後述します。
3. SWOT分析で検証する
戦略を実行後、SWOT分析で戦略が妥当かどうかを検証します。具体的には自社のプラス要因とマイナス要因を、内部環境と外部環境のそれぞれについて書き出したのち、強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)・脅威(Threats)の4つの要素に分類して分析します。不備がある場合は戦略の見直し、新たな追加戦略の策定を行いましょう。
CFT分析の3つの評価軸
Customer(顧客)
「誰に対しての商品・サービスなのか」という観点から、自社がターゲットとする顧客(市場)を特定します。顧客の特定は、次のような観点から行います。
- 年齢
- 性別
- 居住地域
- 職業
- 嗜好性
Function(機能)
「自社の商品・サービスによって、顧客のどのような課題を解決できるか」「顧客にどのような価値を提供できるか」を指します。この「機能」軸では、顧客に価値を提供できている分野を明確にします。
この「機能」は、他社と差別化するために最も重要な要素であるといわれています。
Technology(技術)
「どのような技術によって、顧客の求める価値(=機能)を提供できるか」を指し、技術力を持った分野を明確にします。
ここでの技術は、純粋な研究・開発の力のみならず、物流インフラなどの「価値を提供するための力」全般を含みます。
事業ドメイン設定のポイント
企業の強みを意識する
コアコンピタンスやケイパビリティといった企業の強みを意識して事業ドメインを設定することで、競争において優位になれる、投資すべき分野を明確にできます。
コアコンピタンスとは企業の中核となっている単一バリューチェーンの強みのこと、ケイパビリティとはバリューチェーン全体にかかる組織的な強みのことです。バリューチェーンとは、事業活動を機能ごとに分類したものを指します。
コアコンピタンスとケイパビリティについては、次の記事も参考にしてみてください。
「広すぎず、狭すぎず」を意識する
事業ドメインの設定においては、広すぎず狭すぎない、適度な範囲を設定することが求められます。広すぎる事業ドメインを設定した場合、投資すべき分野が多くなり経営資源が枯渇してしまいます。
反対に事業ドメインが狭すぎると、市場の成長が止まってしまった場合などに企業の経営自体に大きな被害が及びます。
企業ドメインや市場セグメンテーションと混同しない
事業ドメインと混同されやすい言葉に、企業ドメインと市場セグメンテーションがあります。これらと混同してしまうと、事業ドメインとすべき範囲を見誤ってしまいます。
企業ドメインとは、複数の事業領域を含む、企業の活動範囲全体を指します。これに対し事業ドメインは事業領域ごとに設定されるものであり、企業ドメインはより規模の大きい概念です。
また、市場セグメンテーションとは市場のニーズから逆算し、商品やマーケティングによって顧客にアプローチする手法を指します。これに対し、事業ドメインは商品の側から対象となる顧客を明確にするものです。
いかがでしたか?
CFT分析は、経営計画・事業計画を立てるのに重要な事業ドメインの設定に役立ちます。
この記事を参考に、事業ドメインの重要性やCFT分析の手順・ポイントについて押さえておきましょう。
まずはこれだけ。新規開拓営業を始める時の心得
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