経営戦略・事業戦略

パックマンディフェンスとは|買収防衛の仕組みと注意点を解説

パックマンディフェンスとは、敵対的買収への防衛策のひとつです。
今回は、パックマンディフェンスの仕組みや注意点を解説します。

パックマンディフェンスとは、敵対的買収を仕掛けてきた企業に対して、逆に買収を仕掛けること

パックマンディフェンスとは、敵対的買収を仕掛けてきた企業に対して、逆に買収を仕掛けて買収を防ぐことを指します。自社で実行するほかに、ホワイトナイト企業に実行してもらうこともあります。

ホワイトナイトについては、次の記事も参考にしてみてください。

あわせて読みたい
ホワイトナイトとは|デメリットや実行の方法、事例について解説ホワイトナイトという言葉を聞いたことはありますか? これは企業買収に対する防衛策のひとつで、日本でもいくつか有名な事例が存在します。 ...

パックマンディフェンスは、買収防衛策の中でも攻撃的なものです。「買収を防ぐ」という強い意思表示になるため、防衛に成功した場合、同じ企業が再び買収を仕掛けてくる可能性は低くなります

買収を仕掛けてきた企業の株式の25%以上の取得を目指す

通常、企業を買収するには株式の50%以上を取得する必要があります。しかし、パックマンディフェンスでは、株式の25%以上を取得することを目指します

会社法308条では、株式会社Aが他の株式会社Bの株式の25%を保有した場合、BはAへの議決権を失うことが規定されています。買収企業の株式の25%以上を取得することに成功すれば、買収企業は被買収企業への議決権を失い、買収が実行できなくなります。そのため、買収防衛のためには50%以上の取得を目指す必要はありません。

パックマンディフェンスの注意点

実行に多額の費用が必要

パックマンディフェンスを実行するには、多額の資金が必要になります。特に相手が大企業の場合は、株式の25%を取得するのはかなり困難です。
反対に、相手が金融機関から資金を借り入れて行うLBO方式の買収を仕掛けてきた場合には、相手の資金力が低いためパックマンディフェンスの難易度は低くなります。

また、株式の25%の取得が達成できても、買収企業が新株を発行した場合、株式保有率が25%を下回れば意味がなくなってしまいます

パックマンディフェンスは、基本的には資金に余裕のある企業の取る手段です。資金が潤沢でない場合に、借り入れや事業売却などを行って資金を調達し、パックマンディフェンスを実行するのはハイリスクであるといえます。

経営上のメリットがない

パックマンディフェンスに成功した場合、買収を仕掛けてきた企業の株式の25%以上が手元に残ることになりますが、買収を防いだ後には、買収企業の株式を持っておく意味がありません

本来の経営目的上では保有する必要のなかった株式を、多額の費用を払って保有することには、経営上のメリットはありません。買収企業との業務提携などによってメリットが得られない場合、一時的な買収防衛のために大きな犠牲を払うことになります。

買収企業が非上場企業の場合は実行できない

パックマンディフェンスは、買収企業が株式上場していることを前提に、株式の取得によって買収を防ぐ手法です。そのため、仮に非上場企業から敵対的買収を仕掛けられた場合は、株式を取得できないため、パックマンディフェンスの実行は不可能です。

非上場企業が資金を用意して買収を仕掛けてくることもあるため、その場合には別の買収防衛策を検討する必要があります。
その他の買収防衛策については、次の記事も参考にしてみてください。

あわせて読みたい
買収への防衛策|敵対的買収の予防・対策の方法をすべて紹介します企業の買収に対しては、いくつかの予防・対抗策があります。 今回は、敵対的なM&Aへの防衛策をすべて紹介したいと思います。 買...

国内で実行された事例は存在しない

パックマンディフェンスは、1980年代のアメリカでは積極的に使用されていましたが、最近では用いられていません。国内でも、敵対的買収自体の数が少ないこともあって、パックマンディフェンスが実行された事例は存在しません

パックマンディフェンスには多額の費用が必要である上に、成功しても経営上のメリットはないという点から、現在では積極的に用いられる買収防衛策ではなくなっています。

 

まとめ

いかがでしたか?

パックマンディフェンスは買収防衛策としては有効ですが、資金面でのハードルなどがあり、実行は難しい方法です。

この記事を参考に、パックマンディフェンスの仕組みや注意点を押さえておきましょう。

新規営業の業務効率化にお困りではありませんか?
5万社以上が活用する企業情報サービスで、時間や手間を削減しましょう!