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事業ポートフォリオ作成の目的と方法|最適化についても解説します

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事業ポートフォリオという言葉を聞いたことはありますか?
これは経営・事業戦略の策定のために作成されるもので、M&Aなどの場面で利用されます。

今回は事業ポートフォリオの作成の目的や、作成・最適化の方法を解説します。

事業ポートフォリオとは、企業が展開している事業の一覧のこと

事業ポートフォリオとは、企業が展開している事業を一覧にし、各事業の収益性や成長性・安全性を可視化したものです。規模や性質の異なる事業を整理し、経営戦略や事業戦略に関する判断を行う際に確認・活用します。

事業ポートフォリオを作成する目的

経営資源の配分を考える

経営資源の配分を考える際には、事業ポートフォリオが活用されます。限りのある資金・人材などのリソースを適切に配分するには、自社の事業の全容を俯瞰的に把握しておく必要があります
事業ごとの収益性や成長性などを可視化し、適切な資源配分を考えるために事業ポートフォリオが役立ちます。

M&Aの方向性を決定する

M&Aも、事業ポートフォリオが活用される場面のひとつです。M&Aを行う際には、自社事業の市場における優位性や収益性などを把握した上で、方針を決定する必要があります
事業の拡大や後継者問題の解決など、M&Aの目的には様々なものがありますが、いずれの場合でも自社内部の状況を把握することは必須です。

事業ポートフォリオ作成の3つの考え方

PPM

PPM(Product Portfolio Management)とは、「市場の成長性」と「市場におけるシェア」の2軸で事業を分類するフレームワークです。PPMでは、事業を次の4つに分類します。

  1. 花形成長性とシェアがともに高い
    シェアが高いため利益は出しやすいですが、成長性の高い市場では競合も多く、競争を勝ち抜くために継続的な投資が必要です。
  2. 問題児成長性が高いがシェアは低い
    市場の成長率が高く魅力的な事業ですが、シェアが低いため競争を勝ち抜くには大きなコストがかかります。
  3. 金のなる木成長性は低いがシェアが高い
    成長性が低く市場における競争は激しくないため、少ない投資でシェアを維持し利益を上げることができます。
  4. 負け犬成長性とシェアがともに低い
    成長性・シェアがともに低いため利益創出が難しく、撤退と他事業への資源分配を検討すべき事業です。

事業ドメイン

事業ドメインとは、企業が事業を展開している範囲を指す言葉です。事業ドメインを設定することで、積極的に投資すべき事業を明らかにし、必要以上の多角化を避けられます。
事業ドメインの設定は、事業を「Customer(顧客)」「Function(機能)」「Technology(技術)」の3つで分類するCFT分析というフレームワークが用いられます。

  • Customer(顧客)
    年齢・性別・地域・嗜好性といった点から、ターゲットとなる顧客を明確にします。
  • Function(機能)
    自社の商品・サービスが顧客のどのような課題を解決しているかを明確にします。
  • Technology(技術)
    自社がどのような技術によって事業を展開しているかを明確にします。

事業ドメインについては、次の記事も参考にしてみてください。

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コアコンピタンス

コアコンピタンスとは、企業の中核となる、他社よりも優れた強みのことです。コアコンピタンスを明確にすれば、それを生かせる経営・事業戦略を考えることができます。
コアコンピタンスの条件としては、次の3つが挙げられます。

  1. 顧客に対する利益となること
  2. 他社が容易に真似できないこと
  3. 複数の市場や製品に発揮できる強みであること

コアコンピタンスについては、次の記事も参考にしてみてください。

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事業ポートフォリオを最適化する方法

事業ポートフォリオの最適化とは、自社の各事業に対する適切な経営資源の配分を実現することです。最適化の手段には、次のようなものがあります。

  • ポートフォリオマネジメントシステム
    事業ポートフォリオを基準に事業への投資や撤退の基準を明確に設定し、適切な経営資源の配分を仕組み化したものです。
  • コーポレート組織
    企業全体の戦略を推進するための組織・部門です。経営資源の配分を決定するほか、各事業の評価を行い、さらに配分を改善します。

 

まとめ

いかがでしたか?

事業ポートフォリオは、M&Aや経営資源の配分について考える際に、重要な方針となります。

この記事を参考に、事業ポートフォリオの作成と最適化の方法を押さえておきましょう。

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