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インテグリティとは?組織に「誠実さ」が求められる理由を解説します
インテグリティという言葉を聞いたことはありますか?
インテグリティは組織運営に求められる考え方ですが、経営者だけでなく他の役職にとっても重要な考え方です。
今回はインテグリティについて、組織に求められる背景・理由を解説します。
目次
インテグリティとは、誠実に組織運営に取り組む姿勢のこと
インテグリティ(integrity)とは、「誠実さ」「真摯さ」「高潔さ」を意味する言葉であり、ビジネスでは誠実に組織運営に取り組む姿勢のことを指します。インテグリティを意識した組織運営は、インテグリティ・マネジメントと呼ばれます。
インテグリティは、経営学者のピーター・ドラッガーや、投資家・経営者のウォーレン・バフェットが提唱してきた概念です。両者は、インテグリティについて次のように言及しています。
- ドラッガー:真摯さは他から得ることができず、自ら習得しなければならない資質であり、経営において最も重要なものである
- バフェット:知性や活力だけでも短期的な利益を上げることはできるかもしれないが、誠実さがなければ信頼を獲得することはできず、組織に損害をもたらす
インテグリティが求められるようになった背景
インテグリティが求められるようになった背景には、企業の不祥事やコンプライアンス違反の増加があります。1990年代から2000年代にかけて、成果や利益を上げることが重要視されすぎた結果、不祥事が相次ぎました。
そこで、企業には社会に対する責任を果たし、信頼を獲得することが求められるようになりました。そのために、利益主義から脱却し、誠実さを意識した組織運営が必要となったのです。
企業の経営にインテグリティが求められる理由
社内外からの信頼を得るため
インテグリティを意識することで、社内・社外の両方からの信頼の獲得に繋がります。
社外からの信頼を獲得するには、コンプライアンス(=法令や社会的な規範を守って企業活動を行うこと)の遵守が必要です。法令や道徳的・倫理的な規範を守って活動することで、組織の健全性・安全性をアピールできます。
インテグリティ、すなわち誠実さを意識した組織運営を行うことは、コンプライアンスを遵守するための根幹となります。
コンプライアンスについては、次の記事も参考にしてみてください。
また、社内での信頼関係の構築のためにもインテグリティを意識することが必要です。例えば経営者であれば、従業員や株主といった関係者に対して誠実に向き合うことが求められます。
採用をはじめとする人事活動のため
企業の採用・人事活動でも、インテグリティが重要です。組織を円滑に運営・発展させるには、組織の基盤となる人材との間に信頼関係を築く必要があります。そのため、人材の採用や配置・開発においても、社員と誠実に向き合うことが求められます。
また、採用活動ではインテグリティのある人材を見極めることも重要です。インテグリティのある人材の特徴には、次のようなものがあります。
- 正義感があり、公平公正な判断ができる
- 他人を尊重できる
- 自分に厳しい
- 法や倫理観といった規範を守る意識が高い
社会的な責任を果たすため
企業には、社会に対して果たすべき責任(CSR:Corporate Social Responsibility)があります。
この社会的な責任を果たすために、インテグリティを意識することが必要です。社会や利害関係者に対して誠実に向き合おうとする姿勢が、社会的責任を果たすことに繋がります。
企業の社会的責任については、以下の記事も参考にしてみてください。
役職によって、求められるインテグリティの形は異なる
経営・組織運営のために重要な概念であるインテグリティは、経営者が意識すべきものであると考えられがちです。しかし、実際には経営者以外の社員もインテグリティを意識することが重要であり、役職や部署によって求められるインテグリティの形は異なります。
- 経営者
企業としての意思決定を行う経営者のインテグリティは、組織全体に影響します。 - 人事
人材の採用・育成においてインテグリティが求められます。人材と誠実に向き合って人事活動を行うことが必要です。 - 管理職
経営陣と部下の間に立って働く管理職は、誠実に部下と向き合わなければなりません。部下の育成には時間と手間がかかりますが、真摯に育て上げることが求められます。 - 一般の社員
不正をごまかさない、ミスを素直に報告するといった形の誠実さが必要です。自分の利益や保身を優先せず、自分も社会貢献を目指す企業の一員であるという自覚を持つことが求められます。
いかがでしたか?
インテグリティを意識した組織運営は、信頼を獲得し、社会的な責任を果たすことに繋がります。
役職ごとに求められるインテグリティの形も異なるため、この記事を参考に押さえておきましょう。
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