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【基本知識】形式知を解説|意味や暗黙知との違い、変化方法を紹介

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皆さんは、「形式知」という言葉をご存知でしょうか?形式知は、これまでのノウハウを全社員が学習できるように管理する手法であるナレッジマネジメントの要と言われています。
この記事では、形式知の意味や暗黙知との違い、形式知化するメリットおよび方法を紹介します。

形式知とは、数式やマニュアルによって共有される客観的な知識のこと

形式知とは、図表や数式およびマニュアルによって客観的に共有される知識を指します。効果的な営業手法をまとめたマニュアルや顧客情報、生産機器の効率的な操作方法などが形式知として挙げられます。形式知は、社内全体の知識レベルを引き上げるために重要であり、形式知を更新することで組織のレベルアップを図れます。

暗黙知とは、感覚や勘による主観的な知識のこと

形式知の対義語である暗黙知とは、感覚や勘による主観的な知識のことを指します。交渉が上手い営業パーソンなどは何かしら暗黙知を持っていると言われています。このような暗黙知は場数を踏むことで得られるものであり、習得に時間がかかります。暗黙知は主観的な知識であるのに対し、形式知は客観的な知識である点で異なります。

暗黙知に関して詳しく紹介した記事もありますので、あわせてご覧ください。

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暗黙知を形式知に変化させるメリット

教育に要するコストを削減できる

暗黙知を形式知に変化させることで、新入社員の教育コストを削減できます。暗黙知をマニュアルや説明動画に落とし込んで配布すれば、新人研修の時間を短縮できます。また、人事職員の工数削減に繋がり、新人研修にかかる人件費の削減にもなります。さらに、新人研修後もマニュアルは残っているため復習ができ、先輩社員に聞く時間および教える時間の削減に繋がります。

知識の属人化を防げる

暗黙知を形式知化すれば、知識の属人化を防げます。暗黙知のまま業務が行われている場合、その業務は担当者にしか行えなくなるため、業務の属人化が起こってしまいます。しかし、業務やノウハウが形式知化されていれば、担当者が休職や退職しても対応でき、業務が滞る心配がなくなります。

組織全体の業務の質を向上できる

組織全体にノウハウを共有できれば、社員ごとの知識レベルのばらつきを抑えられます。そのため、優秀な社員が持っている暗黙知を形式知に変化させることで、業務の質が向上します。知識が高いレベルで均一になり、提供するサービスやサポートの質も社員によらず高い水準になることが期待されます。

SECIモデル:暗黙知を形式知に変化させる

暗黙知を形式知に変化させる方法として、有名なのがSECIモデルです。SECIモデルは、経営学者である野中郁次郎氏によって提唱されたモデルであり、以下の4つのプロセスに沿って形式知化します。

  • 共同化
    共同化は、暗黙知のまま他人に移転するプロセスのことを指します。例えば、先輩社員のプレゼン資料を参考に作成することが共同化にあたります。共同化は、オフィスでの休憩時間で行われる会話でお互いの知識や経験を共有することが重要と言われています。
  • 表出化
    表出化とは、暗黙知を言葉や図で形式知に変化させるプロセスのことです。表出化の例としては、マニュアル化が挙げられます。マニュアル作成会議における対話を通じて形式知への変換が客観的に行われることが、表出化において重要だと言われています。
  • 結合化
    結合化は、形式知同士を組み合わせて、新しい形式知を作るプロセスのことを言います。具体的には、表出化において作成されたマニュアルに対して多くの人が意見し、マニュアルのバージョンが更新されることを言います。結合化において、多くの人が気軽に意見を言える場が重要であるため、オンラインチャットツールを活用し、推進しましょう。
  • 内面化
    内面化は、練習を通じて形式知を暗黙知に変換するプロセスのことを指します。マニュアルを読んだだけでは身に付きづらいため、練習を通じて形式知を定着させます。内面化に重要なのは、シミュレーションや実際の業務において形式知を活用することです。

SECIモデルに関してさらに詳しく紹介した記事がありますので、あわせてご覧ください。

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形式知に変化させる際の注意点

形式知に変化させることの重要性を伝える

形式知は自然にできるものではありません。暗黙知を能動的に変換させる必要があります。よって、目的なく形式知化したいと言っても誰も動いてくれないでしょう。暗黙知を形式知に変化させる理由や目的を従業員に伝え、全員に形式知に変化させることの重要性を理解させなければなりません。

スモールスタートから始める

暗黙知を形式知に変化させることは労力がかかり、様々な課題が発生します。そのため、最初は大規模に行うのではなく、スモールスタートを心がけましょう。全社的に行うのではなく、一部署で試験的に実施し、形式知化するにあたって必要なツールや乗り越える必要のある課題を把握します。課題が解決でき成功してから別の部署でも実践するというように、徐々に広げていくことが重要です。

情報共有にインセンティブをつける

暗黙知を形式知に変化させることに協力的な従業員は少ないです。特にノウハウを豊富に持っている社員はベテランや優秀な社員であり多忙な場合が多いため、形式知化に割ける時間は多くありません。ノウハウのマニュアル化や解説動画作成にインセンティブをつけることで情報共有を活性化させましょう。

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