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KPIを設定する手順やコツを解説|具体例や似た言葉との違いも紹介
KPIの重要性は聞いたことがあるものの、実際に設定する手順が分からず困っている方が多いのではないでしょうか。
今回は、KPIの設定手順や設定する際のコツに加え、KPIの具体例、KGI・KSF・OKRとの違いも解説します。
目次
KPIとは、目標達成のために必要なプロセスの進捗度を評価するための指標である
KPIとは、チームの最終目標を達成するために必要なプロセスの進捗状況を適切に評価するための指標です。Key Performance Indicatorの頭文字をとった言葉で、「重要業績評価指標」とも呼ばれます。
例えば、チームの最終目標が売上を向上させることであった場合、売上に直結する顧客単価と顧客数のうち、顧客数に関わる訪問回数やアポイント獲得数といった数値がKPIとして設定されます。
KPIを設定すれば、各プロセスにおける指標と現在の進捗状況から、計画が順調に進んでいるかどうかを容易に判断でき、もし遅れていれば素早く改善策を打つことが可能です。また、KPIという具体的な目標が決まるとともに、評価基準も明確となるため、チームメンバーの目標を達成しようという意識が高まり、モチベーションが向上する効果も得られます。
KGIやKSF、OKRとの違い
KGIとは、Key Goal Indicatorの略語で「重要目標達成指標」とも呼ばれる言葉です。KGIは、チームの最終的な目標を指します。例えば、営業部門の来月の売上を15%向上させるといった、チーム全体が見据えるべき方向性を示す目標がKGIとなります。
KSFは、Key Success Factorの略語で、「重要成功要因」とも呼ばれます。KSFとは、チームが最終的な目標、つまりKGIを達成するために必要な要素やプロセスそのものを意味します。営業部門の売上を向上させるというKGIを設定していた場合、商談数や訪問回数といった要素がKSFに当たります。そして、その商談数や訪問回数、つまりKSFの具体的な数値を決めたものがKPIです。
一方、OKRとは、Objective and Key Result の略語で、「目標と主要な成果」と訳されます。OKRでは目標と同時に、求められる成果も設定することが特徴で、モチベーションを引き上げるために達成が難しい目標を掲げます。例えば、来月の売上を300万円伸ばすといった目標を設定したとき、成果としてはその60%〜70%の180万円〜210万円を求めるということを指します。KPIでは目標に対して100%の達成を目指す前提であるという点でOKRと異なります。
KPIの設定手順
1. 最終的な目標であるKGIを設定する
最終的な目標がない状態でKPIを設定すると、無駄なプロセスを実施する可能性が高まります。そのため、まずはKGIを設定し、チームが目指すべき方向性を統一しましょう。これにより、KGIと関係ないプロセスを避けて時間を削減するとともに、リソース全てをKGI達成のために使用することが可能です。
2. KGIを達成するためのプロセスを分解してKSFを定める
KGIを設定した後、そのKGIを達成するために必要なプロセスを洗い出します。このとき、必要なプロセスに抜け漏れが出ないよう、詳細に因数分解を行い全てのプロセスを洗い出しましょう。そして、洗い出したプロセスの中でも、特にKGIに対する影響度の大きいもので、なおかつ自社内で制御可能なもの(外部環境に依存しないもの)をKSFとして定めます。
3. KSFごとに具体的なKPIを設定する
KSFごとに、KGIを達成できるよう、期間や増加率といった数値を用いて具体的なKPIを設定します。例えば、来月の売上を100万円向上させることを考えた場合、顧客数を増やすのであれば、現在の顧客単価が5,000円とすると200人新たに必要であり、現状の契約率がWebサイト閲覧者のうち5%が購入するのであれば、4,000人をWebサイトに勧誘する必要があります。
そのため、「新規顧客数を200人増やすこと」と「4,000人をWebサイトに勧誘すること」がKPIになります。
KPIを設定するときのコツ
SMARTの法則を活用する
SMARTの法則とは、目標を決める際に「Specific(明確性)」「Measurable(測定可能)」「Achievable(達成可能)」「Related(関連性)」「Time-bounded(適時性)」に着目することで、効果的な目標を設定できるという法則です。SMARTの法則を活用することで、具体的かつ達成できうるKPIを設定できます。
SMARTの法則を用いた目標の決め方については、以下の記事をご覧ください。
各プロセスのKPIを満たせばKGIを達成できるように設定する
KPIはKGIを達成するために設定されるため、全てのKPIを達成できたときにKGIを達成できなければ意味がありません。そのため、各プロセスのKPIを満たせば、KGIを達成できるように、同時に各プロセスのKPIに対して達成不可能でないかに着目し、KPIを設定しましょう。
KPIを増やしすぎない
KPIを増やしすぎると、プロセスやタスクが増えすぎて何から着手すればよいか分からなくなるおそれがあります。KSFを定めるときに、KGIへの影響度の高さと向上しやすさを加味し、優先順位の高いプロセスを見極めてKPIを設定しましょう。
それぞれのKPIに対して責任の所在を区別する
KPIを設定する際には、それぞれのKPIに対する責任の所在を区別することも重要です。責任者1人の負荷が大きくなりすぎると、非効率になる上、その人が不在の場合に進捗が大きく遅れ、全てのKPIを達成できずKGIを満たせないという結果につながってしまいます。
そのため、それぞれのKPIに対して責任者を設けるなど、無理のない責任範囲を用意するとともに、メンバー全員にKPIを共有し、チーム一体となってプロセスの進捗状況を管理する姿勢を心掛けましょう。
KPIの具体例
営業の場合、架電数やアポイント数、有効商談数、成約率といった指標がKPIとして採用されます。マーケティングでは、リード獲得数や接触回数、CV率、自社メディアの検索順位といった指標が挙げられます。
他にも部門ごとにKPIの例を以下の記事で紹介していますので、ご覧ください。
今さら聞けない、営業マネージャーが知っておくべきKPI・KGI
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