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【初心者向け】新規事業立ち上げの基本|5つのフレームワークも紹介
企業の規模を拡大するためには、新規事業による市場の開拓が求められることもあります。
今回は、新規事業の立ち上げのプロセスや、立ち上げに役立つ5つのフレームワークについて解説します。
目次
新規事業の立ち上げに必要なもの
新規事業の立ち上げに必要なリソースは、大きく次の4つに分けられます。
- 人材…人材、社外のパートナーなど
- 技術…技術や設備、知的財産など
- 資金…経営資金や株式など
- 情報…新規事業の立ち上げに関するノウハウ、競合に関する情報など
情報化の進んだ現在、ITを中心とした「技術」と「情報」は事業にとって特に重要視されています。
近年のトレンド:リーンスタートアップとは
近年、新規事業の立ち上げに関する方法としてリーンスタートアップが注目されています。リーンスタートアップとは、事業を小さい規模で始めることで、最低限のコストと短期間のサイクルで仮説の構築・検証を繰り返すことで、優れたビジネスモデルを構築する方法論です。
市場の反応を細かく反映させやすく、市場のニーズに沿ったビジネスを展開することができます。また、いきなり大規模なビジネスを展開した場合に比べ、失敗したときのリスクを軽減できます。
新規事業の立ち上げプロセス
1. 顧客の抱えている課題の洗い出し
顧客の抱えている課題を解決できる商品・サービスが提供できる事業でなければ、優れた事業であっても成功することはありません。そのため、まずは顧客の課題を洗い出し、その解決策を考えることが必要になります。
新規事業を立ち上げる際には「何をやりたいか」から出発することもありますが、顧客目線が抜け落ちていると需要のない事業になってしまいます。
2. 事業アイデアの創出
解決したい顧客の課題が決定したら、それを解決するための事業のアイデアを創出します。
このとき、事業ドメインを意識しておく必要があります。事業ドメインとは企業が活動している事業領域を指す言葉で、この範囲を明確にすることで不要な多角化を防ぐ役割を持っています。新規事業を立ち上げる際には、事業ドメインを決定し、企業全体として事業を展開する範囲をコントロールする必要があります。
事業ドメインについては、次の記事も参考にしてみてください。
3. 市場性・事業性の評価
展開する事業のアイデアが固まったら、市場性と事業性を評価します。
- 市場性:市場に需要はあるか、利益を上げるだけの金銭が動くか(=市場を開拓できるか)
- 事業性:どのような顧客にアプローチし、どのような人が商品を購入するか(=事業として成り立つか)
市場性と事業性の両方が高い事業でなくては、立ち上げに投資した資金を回収するのは難しいといえます。
4. 事業計画の構築
より詳細で具体的な事業計画を構築します。スケジュールや目標数値、各段階での責任者を明確にしておくことで、事業を進めていく上での混乱を避けられます。商品・サービスの開発だけでなく、販売やマーケティングを含めた計画の構築が必要です。
5. 必要なリソースの確保
計画を遂行するために必要なリソースを確保します。新規事業を進めるための環境を整えるためには、次のものが必須となります。
- 開発から販売・マーケティングまでの各段階におけるノウハウ
- 事業分野ごとに結成されたチーム
- 設備費や人件費などの資金
特に資金については、投資額や売上の見込み金額などを考慮して決定する必要があるため、より慎重に準備しなければなりません。
6. 商品開発・サービス化
事業を進めるための環境が整ったら、実際の商品・サービスの開発を始めます。このとき、商品やサービスには次のような「製品ライフサイクル」があることを意識しておきましょう。
- 導入期:新商品・サービスが浸透し始める
- 成長期:利益が上がり始める、競合が出現する
- 成熟期:競争が激しくなり、売上が低下する
- 衰退期:代替品が登場し、利益が下がる
商品にはこのようなサイクルがあることを意識して、状況に応じて事業戦略を変更することも必要です。
7. 評価・改善
事業の業績を評価し、事業計画を見直します。さらに、実際に事業を展開して見つかった課題点を修正し、商品・サービスの質を向上させます。
新規事業の立ち上げに役立つフレームワーク
MVV分析
MVV分析とは、企業の理念を明確にし、共有するためのフレームワークです。次の3つの観点から理念を明確にし、新規事業を立案する際に方向性を決める指針とすることができます。
- Mission(使命):企業が果たすべき社会的な使命、存在意義
- Vision(将来像):企業の将来的な目標
- Value(価値):企業内で共有されるべき価値観、行動指針
ペルソナ設定
ペルソナとは、仮想の顧客を指します。事業のターゲットとなるペルソナを設定することで、より顧客を意識した開発やマーケティングが可能になります。
ペルソナを活用したマーケティングについては、次の記事も参考にしてみてください。
3C分析
3C分析は、市場における自社の立ち位置を知るためのフレームワークです。Company(自社)・Customer(顧客)・Competitor(競合)の3つの要素から、自社が事業に活かすべき強みを見出すことができます。
3C分析については、次の記事も参考にしてみてください。
SWOT分析
SWOT分析とは、自社を取り巻く環境を分析することで、事業戦略を立てられるフレームワークです。自社の内部・外部それぞれのプラス・マイナスの要素を、強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)・機会(Opportunities)・脅威(Threats)の4つに分類します。
SWOT分析については、次の記事も参考にしてみてください。
VRIO分析
VRIO分析は、自社の強みと競争優位性を見極めるためのフレームワークです。Value(経済価値)・Rarity(希少性)・Imitability(模倣困難性)・Organization(組織)の4つの要素から、経営資源を分析します。
VRIO分析については、次の記事も参考にしてみてください。
いかがでしたか?
新規事業を立ち上げる際には、必要なリソースを把握しておき、基本的なプロセスに沿って進めることが重要です。
この記事を参考に、新規事業の立ち上げに役立つフレームワークについても押さえておきましょう。
まずはこれだけ。新規開拓営業を始める時の心得
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