この記事は 4 分で読めます
事業戦略の基本|経営戦略との違いや策定方法・フレームワークを解説
企業が経済活動を進めていく中では、その指針となる事業戦略の策定が欠かせません。
しかし、どのように事業戦略を考えればよいのか分からない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、事業戦略の策定方法とフレームワークについて解説します。
目次
事業戦略とは、ある事業ドメインの中で競争優位に立つための戦略のこと
事業戦略とは、ある単一の事業ドメインの中で、他社より競争優位に立つための戦略のことであり、事業活動の指針となるものです。事業ドメインは、企業が経済活動を展開している事業の範囲を指す言葉です。
事業ドメインについては、次の記事も参考にしてみてください。
事業戦略の中心となるのは、次の2つの要素です。
- 差別化による競争優位の確保
優れた商品やサービスを持っていても、消費者の目に留まることがなければ利益を上げられません。市場のニーズ把握、および競合他社の観察を行い、他社と差別化した商品・サービスを消費者に訴求する必要があります。 - 経営資源の把握・管理
ヒト・モノ・カネをはじめとする経営資源の適切な配分がなければ、事業の存続・発展は望めません。商品・サービスの開発や差別化戦略を進めるためにも、有限な資源を適切に管理しなければなりません。
この2つを両立できる戦略を策定・実行することによって、継続的に利益を上げられる事業をつくれます。
経営戦略とは、複数の事業を対象にした全社的な戦略のこと
事業戦略と混同されやすい経営戦略ですが、経営戦略は複数の事業ドメインにまたがる全社的な戦略のことを指します。経営戦略では、組織体制や人事などについての戦略がメインとなります。
これに対し、事業戦略は単一の事業ドメインについての戦略です。事業戦略は、経営戦略を事業部レベルに落とし込んだ、より具体的な戦略となります。
機能別戦略とは、価値提供のプロセスごとの最適化戦略のこと
機能別戦略とは、購買・製造・流通・販売といった価値提供のプロセスの各部分を最適化するための戦略を指します。事業戦略を実行するための、現場レベルでの戦略であるといえます。
事業戦略の策定方法
1. 目的の明確化、定量目標の設定
まずは、事業の目標を明確にし、数値で表せる目標(定量目標)に落とし込みます。売上や利益など、数値で客観的に測定できる目標がなければ、目標の達成度合いを測ることができず、具体的な計画を策定・実行できません。
2. 現状分析
次に、自社が現在どのような状況にあるか分析します。現状分析は、事業計画を策定する際の基盤となる重要なプロセスです。
主に次のような点の分析を行います。
- 業界内での立ち位置
- 競合他社の状況
- 消費者の動向、ニーズの変化
- 自社の強みと弱み
- 自社の商品・サービスに対する消費者の反応
3. 方向性の決定
現状分析の結果を踏まえて、事業計画の方向性を決定します。やりたいことを優先するのではなく、市場や消費者の動向から考えて、何が必要かを見極める必要があります。また、自社の強みを生かせるかどうかという視点も必要です。
ここでは、複数の方向性を用意しておくことも大事です。事業戦略が行き詰ったときのために代替案を用意しましょう。
4. フィージビリティ・スタディ
フィージビリティ・スタディとは、事業の実現可能性を事前に調査・検討することを指します。事業戦略の方向性をいくつか用意した上で、技術面・経済面などからどの方向性が最も実現可能性が高いかを見極めます。
フィージビリティ・スタディについては、次の記事も参考にしてみてください。
5. 施策の策定・実行
実現性の高い方向性の事業戦略を、具体的な施策に落とし込んで実行に移します。実行の際には、重要度や緊急性を踏まえて優先順位を設定し、スケジュールを立てて進める必要があります。
事業戦略の策定に役立つフレームワーク
PEST分析
PEST分析とは、政治的要因(Politics)、経済的要因(Economy)、社会的要因(Society)、技術的要因(Technology)の4つから外部環境の分析を行うフレームワークです。これらの視点から得られた情報を、自社にとってのチャンスである「機会」とピンチである「脅威」に分類し、外部環境を把握します。
PEST分析については、次の記事も参考にしてみてください。
SWOT分析
SWOT分析とは、強み(Strengths)・弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)・脅威(Threats)の4つの要素から、内部・外部環境を分析するフレームワークです。自社の強みと弱みの両方を把握することができます。
SWOT分析については、次の記事も参考にしてみてください。
3C分析
3C分析とは、市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの要素から市場分析を行うフレームワークです。市場や競合といった外部環境と、自社の内部環境を照らし合わせることで、自社の強みを見出せます。
3C分析については、次の記事も参考にしてみてください。
VRIO分析
VRIO分析とは、Value(経済価値)、Rarity(希少性)、Imitability(模倣困難性)、Organization(組織)の4つの要素から経営資源の評価を行うフレームワークです。自社の強みや競争優位性を見極めることができます。
VRIO分析については、次の記事も参考にしてみてください。
いかがでしたか?
事業戦略は事業ドメインごとの戦略であり、企業全体の戦略である経営戦略や、価値提供プロセスごとの戦略である機能別戦略とは異なります。
この記事を参考に、事業戦略の策定方法や、策定に役立つフレームワークについて押さえておきましょう。
まずはこれだけ。新規開拓営業を始める時の心得
無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。