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【基本知識】経営管理とは|具体的な内容やポイントを解説

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経営管理という言葉に漠然としたイメージしかなく、具体的には何を行うのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、経営管理の具体的な内容をはじめとした基本知識をご紹介します。

経営管理とは、目標達成のために業務や経営資源を管理・調整すること

経営管理とは、企業経営において効率的に目標を達成するために、業務や経営資源を管理・調整することをいいます。生産管理や販売管理など、事業の機能単位で行われるのが一般的です。

経営管理の起源は、20世紀初頭アメリカの経営学者フレデリック・テイラーとフランスの経営学者アンリ・ファヨールが提唱した「経営管理論」です。経営管理論では、次の5つの要素から管理活動が行われるとされています。

  • 予測:将来的な環境変化を予測して計画を立てる
  • 組織:社会的な組織構築を行う
  • 命令:従業員に指示を出して動かす
  • 調整:業務と努力を結び付ける
  • 統制:一定のルールに沿って活動させる

経営企画との違い

経営管理と混同されやすい言葉に、経営企画があります。経営企画とは、中長期的な経営計画を立案し、予算の編成や組織単位のプロジェクト遂行などの業務を行うことを指します。業務や経営資源の管理を行う経営管理も、経営企画の業務の一部に位置付けられます。

経営管理の具体的な内容

生産管理

生産管理とは、製品の生産活動の効率化を行うことです。具体的には、次のような活動を管理し、効率的な生産体制を確立する役割を担います。

  • 材料や部品の購買、調達
  • 生産拠点や設備の確保、整理
  • 人員の配置

さらに、市場における需要を把握し、適切な供給量を見極めることも生産管理に必要です。在庫を抱え込みすぎると生産コストが無駄になるおそれがありますし、供給量が足りないと販売の機会を逃してしまいます。利益を上げるためには、適度な供給を続けることが必要です。

販売管理

販売管理とは、仕入れから販売までを含む商品・サービスの提供のプロセスを管理し、最適化することを指します。主に、次のような項目の管理を行います。

  • 仕入れの数、価格
  • 売上、販売数
  • 在庫数
  • 商品・サービスの価格
  • 販売先、顧客
  • 流通経路や販売形態

商品の販売に関するあらゆる情報を収集・管理することで、適切な販売方法・価格の設定に役立てられます。また、売上の状況から何を売ればよいかを考えることも可能です。

人事管理

人事管理とは、人材の採用・育成をはじめとした人材管理を指します。主に次のような業務を行い、自社に必要な人材の確保を目指します。

  • 採用活動
  • 人員配置、昇進などの決定
  • 組織体制の見直し
  • 人事評価
  • 人材育成

直接売上に結びつく要素ではありませんが、企業活動の基盤となる人材の働きを活性化させるために重要なものです。

労務管理

労務管理とは、企業の労働環境の整備を指します。労働法などの規制に基づき、次のような業務によって従業員の働きやすい環境を整えます。

  • 勤怠管理
  • 給与制度の管理、見直し
  • 社会保険制度の整備
  • 従業員数の調整
  • コーポレートガバナンスやコンプライアンスの強化
  • 就業規則の整備

労務管理によって労働環境が改善すれば、従業員の満足度が向上するだけでなく、世間的なイメージも向上します。
コーポレートガバナンスとコンプライアンスについては、次の記事も参考にしてみてください。

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財務管理

財務管理とは、企業の保有する資金や資産の管理を行うことを指します。以下のような業務を行うことによって、資金の動きを把握し、コストの削減や投資活動に役立てることが可能です。

  • 決算書などの財務諸表の作成・確認
  • 財務分析
  • キャッシュフローの管理
  • 資金繰り表の作成

財務管理に失敗すると、経営が黒字でも倒産してしまうおそれがあります。財務管理は、企業が経済活動を続けていくための要ともいえます。

経営管理のポイント

経営管理システムや各種ツールを導入する

経営管理システム(ERP、基幹業務システム)とは、企業内の情報を一元管理するためのシステムのことです。従来、経営管理は部署や業種ごとの基幹システムによって行われていましたが、経営管理システムを導入すればあらゆる分野の情報を一元的に管理でき、情報の収集・活用が容易になります。

また、データ分析・営業支援などのツールや、PC上の業務をソフトウェア型ロボットが代行するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などのシステムを導入することにより、業務における情報の収集・管理が容易になります。

RPAについては、次の記事も参考にしてみてください。

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組織の層ごとに目標を設定する

経営陣から管理職、現場の従業員レベルまで、組織の層ごとに目標を設定することで、業務改善やモチベーション向上などの施策を講じやすくなります。各層で抱えている問題や意識は異なるため、それぞれに合わせた目標設定によって業務を管理することが必要です。

例えば、管理職レベルではPDCAサイクルの促進などが、現場レベルではオペレーションの改善や人材の流出防止などが目標となります。

【M&Aを実施した場合】連結経営管理基盤を構築する

連結経営管理基盤とは、企業の吸収・合併などがあった際に、経営管理の基幹システムを統合することを指します。元々別の企業だった2社を統合するには、勘定科目や財務指標、決算タイミングなどの統一に加え、経営管理に用いられるシステムを統一することで情報の管理を容易にする必要があります。

特に国を跨いでM&Aが行われた場合には、IFRS(国際財務報告基準)に沿って地域の特色やダイバーシティを尊重した経営管理を行う、いわゆるグローバル経営管理が求められます。

まとめ

いかがでしたか?

経営管理とは、目標の達成のために業務や経営資源を管理・調整することを指します。

この記事を参考に、経営管理の具体的な内容やポイントについても押さえておきましょう。

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