営業職はどの業界にも存在しますが、対象顧客や商材、勤務する場所などからいくつかの種類に分けられます。また、同じ営業職でも種類によって仕事内容も様々です。
この記事では、営業職の種類やそれぞれの仕事内容を解説します。
目次
【顧客別】営業の種類
法人営業
法人営業では、企業を顧客として営業活動を行います。個人営業と比較して取り扱う商材の規模や金額が大きいため、一度の商談でいきなり契約を結べるケースは少なく、何度も訪問を重ねてアピールすることが重要になります。
個人営業
個人営業では、一般消費者などの個人を顧客として営業活動を行います。法人営業と比較して取り扱う商材の規模や金額が小さいため、売上を伸ばすには数をこなす必要があります。
一般消費者を顧客とする個人営業では、より一層顧客に親身になって寄り添うことが求められます。
【商材別】営業の種類
有形商材の営業
有形商材とは「形があり、触ることのできる商材」のことです。例として、工業製品や部品・素材、自動車などが挙げられます。
顧客の目の前で実物を見せながら営業をかけることができるため、相手を納得させやすい一方、1個1個の商材に製造コストがかかるという理由から利益率が低いという特徴もあります。
有形商材の営業は、商材そのものを直接見てもらうことができるため、顧客が実際に購入・導入後を明確にイメージすることができます。顧客の中にあるイメージを膨らませ、「使ってみたい」と思わせるための期待をあおることが重要です。また、無形商材よりも値段の相場がはっきりしており、他社の価格と比較されやすいため、購入してもらうにはプレゼンスキルが必要です。
無形商材の営業
無形商材とは「形のない、触ることのできない商材」のことです。広告やコンサルティング、人材サービスなどが該当します。
無形商材の営業活動では、顧客に使用感や効果といったイメージを沸かせることが難しく、それ故に「もし効果が出なかったらどうしよう」というマイナスイメージが少なからずある状態からスタートしなければいけません。このマイナスイメージを払拭するために、顧客の潜在的なニーズを的確に把握し、それに対する最適解を提案する必要があります。
無形商材の営業には、顧客の潜在的なニーズを的確に把握するためのヒアリング力や解決能力が必要だといえます。
【場所別】営業の種類
外勤営業
外勤営業は会社の外に出て、顧客の元を直接訪問して営業活動を行います。外回り営業やフィールドセールスとも呼ばれています。事前のアポイントなしで訪問する新規開拓営業や、既存顧客を中心に行うルート営業など、さまざまな手法があるのが特徴です。
顧客と直接対面して営業を行うため、より高い対話力やコミュニケーション能力が求められる職種であるといえます。また、外勤営業は1人行動をする場面が多い職種であるため、自律している人が求められます。
内勤営業
内勤営業は、訪問を伴わない営業活動のことを指します。取引先に訪問して営業を行う外勤営業とは異なり、顧客からの反応に対応する形で営業を行います。
内勤営業にはテレアポ営業やカウンター営業など、様々な種類があります。
店舗やオフィスを訪れた顧客に対して行う内勤営業では、顧客のニーズを見極める力やプレゼンテーション能力が求められます。
内勤営業について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
また、近年では、zoomやSkypeなどのビデオ会議システムを利用した非対面での商談がメインとなっており、注目を集めています。
非対面での内勤営業では、対面でないからこその丁寧な対応力や関係構築力が求められます。
【形態別】営業の種類
メーカー営業
メーカー営業では、自社が製造した商品を商材として売り込みます。営業相手の多くは一般消費者ではなく法人であり、代理店や商社、販売店などに対して営業活動を行います。取り扱う商材が自社商品であるため、営業相手への質問対応もこなさなくてはなりません。商材に関する高度な知識が求められる職種です。
メーカー営業について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
代理店営業
代理店営業では、自社商品の販売を代理で担当してくれる販売代理店の開拓や、既にパートナー契約を結んでいる販売代理店のサポートおよび営業同行などを行います。
代理店との信頼関係の構築が要となるため、気配りのできる人に向いている職種であるといえます。
商社営業
商社営業では、メーカーの代理として、企業や個人を対象に商品・サービスの営業を行います。メーカーの代理で営業活動を行い、販売インセンティブを得ることで成り立っています。
商社営業では幅広い商材を扱うため、顧客のニーズに応えられる商品を勧められるよう、多くの商品に関する知識が必要です。また、商社営業はメーカーと顧客の間に立ってスケジュールの調整や確認事項のやり取りを行うため、顧客との交渉をスムーズに進める力も求められます。
商社営業について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
【手法別】営業の種類
新規開拓営業
新規開拓営業とは、まだ取引のない新たな取引先を開拓していくために行う営業です。事前のアポイントなしで訪問する飛び込み営業や、電話を利用したテレアポ営業など、さまざまな方法があります。
新規開拓営業では、初めて会う相手にも落ち着いて分かりやすく説明する力が求められます。
ルート営業
既に取引の実績がある企業や個人に対して行う営業です。商品の納品時に困っていることをヒアリングしたり、新しい提案を行うことで新しい契約につなげていきます。
ルート営業では長期的な関係の構築が前提となってくるため、顧客の悩みやニーズの変化を汲み取る力が必要です。
ルート営業について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
訪問営業
訪問営業は、顧客の元を訪問して行う営業活動です。対象となる顧客は法人企業から個人宅まで多岐にわたります。一般的に、訪問営業では事前にアポイントを取り約束を取りつけてから訪問するという流れになります。
飛び込み営業
訪問営業の一種として、飛び込み営業があります。事前にアポイントを取り付けてから訪問する訪問営業とは異なり、飛び込み営業は事前のアポイントをせずに訪問する手法です。
飛び込み営業はアポイントなしでの営業となるため、訪問や電話を断られることもあります。強いメンタルや臨機応変な対応力が求められる職種であるといえます。
テレアポ営業
テレアポ営業とは、電話を活用し、会う約束を取りつけた上で新規開拓を目指す営業活動を指します。まず電話で実際に会う約束を取りつけることを目的としているため、電話口で商品に関する詳しい説明をする必要はありません。
テレアポ営業では「実際に会って話を聞いてみたい」と思わせる、高い会話力が求められます。
反響営業
反響営業とは、テレビやインターネット、ダイレクトメールなどのメディアを通して広告宣伝を行い、興味を持って問い合わせをしてきた人を見込み顧客とみなして営業していく手法です。
顧客からの自発的な反応をもらえるような企画力や、企画を形にするための情報収集力が求められます。
その他の営業
その他の営業手法には以下のようなものもあります。
- カウンター(受付)営業
不動産や旅行代理店などのカウンター(窓口)において、商品・サービスの営業を行う手法。内勤営業の一つ。 - 企画営業
通常の営業のように商品を勧めるだけでなく、企画や提案などを行い商品やサービスに付加価値を加える営業手法。 - 技術営業
技術のバックグラウンド・専門知識を活かして営業を行う手法。製品の案内・提案だけでなく、技術的なサポートや顧客からの技術的なヘルプ対応も行う。
【専門別】営業の種類
医療営業
医薬品の品質・有効性・安全性など情報の提供や収集、伝達を行います。医療営業の担当者は医薬情報担当者(MR)と呼ばれます。MRは製薬メーカーなど医薬品を販売する会社に所属しており、顧客となるのは病院の医師や調剤を行う薬剤師といった医療従事者です。
医療営業は、診察と診察の合間のなど限られた時間で交渉をする必要があります。そのため、医療従事者と同様に物事を考え、短時間で的確なアプローチをする力が求められます。
海外営業
海外営業では、海外の企業を顧客として営業活動を行います。顧客となるのはメーカーや代理店が多く、自社商品を海外に売り込んだり、反対に海外から商品を買い付けるといった業務を行っています。
日本での法人営業で求められるスキルに加え、外国人と取引ができるレベルの語学力が求められます。また、語学力だけでなく、現地でのビジネススタイル・マナーに対応する力も必要です。
いかがでしたか?営業の種類は様々な角度から分類することができ、求められるスキルも異なります。営業職への就職・転職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
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