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【基本解説】水平分業とは|特徴や垂直統合との違い、具体例を紹介

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水平分業という言葉を聞いたことはありますか?水平分業は、近年IT業界などで主流となっているビジネスモデルです。

今回は、水平分業の意味やメリットを解説します。また、水平分業と対となる垂直統合についても紹介します。

水平分業とは、複数の企業が得意分野を分担して製品を供給すること

水平分業とは、ある製品のサプライチェーンにおいて、複数の企業がそれぞれの得意分野を担当し、製品を供給するビジネスモデルです。サプライチェーンとは、製品の原料調達から製造や管理、販売や消費後の回収までの一連の消費活動を指します。

水平分業では、サプライチェーンの核である製品の製造や管理、販売は自社のグループ企業で行い、他の業務は外部に委託する形態がよくとられます。一方で、製造や管理、販売などの主要業務を一部外部に委託する企業も存在します。

近年、IT技術の発展により業務の自動化が進み、様々な業界でAIが導入されています。その結果、外部に業務の一部を委託するアウトソーシングを取り入れる企業が増え、水平分業が広まりました。

サプライチェーンについての詳細は、以下の記事をご覧ください。

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垂直統合とは、製品を供給するまでのプロセスを1つのグループ企業が全て行うこと

垂直統合とは、サプライチェーンにおける業務の全てを、自社とそのグループ企業で行うビジネスモデルです。水平分業とは、外部企業に業務を委託しない点で異なります。
主に、パナソニック・シャープなどの電機メーカーや、トヨタのような自動車業界が垂直統合で製品を供給してきました。

また、新規市場の開拓を目的として、M&Aアライアンス(緩やかな協力体制)により協力関係を拡大し、垂直統合の体制で事業を進めることもあります。

水平分業・垂直分業それぞれのメリットとデメリット

水平分業のメリット:投資のリスクを軽減できる

水平分業では、企業が得意分野に専念できるため、余分な設備への投資を削減できます。そのため、事業が失敗したときのリスクは垂直統合に比べて小さくなります。

また、他の業務に割く労力を減らすことができるため、業務効率も上がります。加えて、他社と差別化できるほどの強み・専門性(コア・コンピタンス)を確立しやすくなる上、新商品や新技術の開発に投資を増やすことも可能です。

コア・コンピタンスについての詳細は、以下の記事をご覧ください。

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水平分業のデメリット:市場の変化に追いつけない可能性がある

水平分業では、得意分野に集中して資源を投資するため、その製品が市場で縮小するとリカバリーが効かなくなります。また、サプライチェーンでいくつもの企業が関わるため、全体での意思疎通が難しくなる傾向も強いです。

そのため、市場変化や経済変化に柔軟に対応することが困難です

垂直統合のメリット:ノウハウを蓄積できる

垂直統合では、サプライチェーンの業務全てを自社とそのグループ企業が行います。そのため、広範囲の事業に関するノウハウの蓄積が可能であり、外部委託を行わないので企業の機密性も保てます。日本メーカーのモノづくりが高水準な理由は、垂直統合によって競争力を向上してきたからです。

また、製品を供給するまでにかかる全コストを見積もりやすく、計画管理も容易にできるメリットもあります。外部に委託するコストがかからないことから、アパレル業界や飲食業界では、「安さ」を差別化要因とするために垂直統合を取り入れる企業も多いです。

垂直統合のデメリット:専門性の確立が難しい

垂直統合では、広範囲の事業領域を網羅する必要があるため、コア・コンピタンスを確立することが難しい傾向にあります。日本企業がソフトウェアの開発で世界から遅れているのは、これが原因です。

また、垂直統合では組織が大きくなることが多く、組織体制の改変やシステムの導入などの大きな決定を下すのが難しくなります。組織体制の改変時やシステムの導入時には、現場までなかなか浸透しないといった問題も生じうるでしょう。

垂直統合について、より詳しくは以下の記事をご覧ください。

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水平分業の具体例

GoPro社

(出典:https://gopro.com/ja/jp/

GoPro社とは、アクティブスポーツの動画撮影を目的とした小型デジタルカメラの製造開発や販売を手掛けている企業です。GoPro社も水平分業の体制をとっており、中国の企業などに生産の一部を委託しています

Apple社

(出典:https://www.apple.com/jp/

Apple社は、水平分業の体制をとる代表的な企業の1つです。「iPhone」「iPad」「Mac」などのハードウェアの設計や開発はApple社が手掛けていますが、製造は主に中国の企業に委託されており、販売はApple社に加えて各国の携帯会社も携わっています。また、ソフトウェアの一部も外部企業に委託しています。

これにより、効率よい生産・供給を実現しており、Apple社の社員は新商品の開発など、最も力を入れるべき業務に専念することができています

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