この記事は 4 分で読めます
社員のモチベーションアップのために役立つ理論や施策例を紹介
社員のモチベーションアップを図りたいと考えつつも、なかなか上手くいかないと頭を抱える方が多いのではないでしょうか?社員のモチベーションを向上させるためには、モチベーションの構造を明確に理解し、社員に適した施策を打つ必要があります。
そこで今回は、モチベーションアップのために知っておくべき理論や施策例を紹介します。
目次
モチベーションアップのために知っておくべき5つの理論
社員のモチベーションを向上させるために、まずは人の欲求に関する理論を理解し、自社の社員はどの欲求が満たされていないのかを把握する必要があります。そして、満たされていない欲求が分かれば、それを補うための施策を打つという手順を踏みましょう。
マズローの欲求五段階説
マズローの欲求五段階説とは、人の欲求が「生理的欲求→安全欲求→社会的欲求→承認欲求→自己実現欲求」の順で高次に形成されるピラミッド型で表せるという理論です。例えば、生理的欲求と安全欲求が満たされて初めて社会的欲求が生まれます。
また、5つの欲求はモノの有無による「物理的欲求と精神的欲求」、刺激が外部もしくは内部のどちらから与えられるかによる「外的欲求と内的欲求」、不足を埋めるか成長するかによる「欠乏欲求と成長欲求」に分類できます。
社員にモチベーションを高く維持し自ら成長してもらうには、最も高次の欲求である自己実現欲求を追求してもらわなければなりません。そのため、生理的欲求から承認欲求までを全て充実させる必要があります。
マズローの欲求五段階説に関する詳細は、以下の記事をご参照ください。
ハーズバーグの二要因理論
ハーズバーグの二要因理論とは、モチベーションが決まる要因を、満たされれば満足感が上がる「動機づけ要因」と満たされなければ満足感が下がる「衛生要因」に分類する理論です。社員にとって会社への不満感は、満足感よりも印象が大きくなることが多いため、衛生要因は最優先で充実させる必要があります。
動機づけ要因と衛生要因の具体例には、以下のものが挙げられます。
- 動機づけ要因:達成感・成長機会・仕事内容・承認や認知・昇進
- 衛生要因:労働環境・給料・人間関係・教育
マクレランドの欲求理論
マクレランドの欲求理論とは、社員の行動の背景には「達成欲求」「親和欲求」「権力欲求」「回避欲求」の4つのうちいずれかが存在するという理論です。4つの欲求の中でもどれが強いかは社員によって異なるため、社員の求めているものを把握しなければなりません。
4つの欲求で見られる特徴は以下の通りです。
- 達成欲求:
自分の力で物事を成し遂げたい・ある程度のリスクが欲しい・自分の成果に対するフィードバックを求める - 親和欲求:
人の役に立ちたい・周囲から好感を持たれたい・緊張する場面では1人でいることが耐えられない - 権力欲求:
責任の大きい仕事をしたい・他者に影響を与えたい・高い地位に立ちたい・相手をコントロールしたい - 回避欲求:
失敗を恐れ目標を低めに設定する・批判を恐れ周囲の意見に合わせる・困難な状況に気づかないふりをする
ブルームの期待理論
ブルームの期待理論とは、努力をすれば目標を達成できるかを表す「期待値」と、その目標を達成した結果得られる「報酬」が魅力であるほどモチベーションが向上するという理論です。例えば、ある社員に対して難しい仕事を与え、完遂できれば昇給といった報酬があると、その社員は高いモチベーションを持って仕事に取り組めます。
モチベーションを向上させる報酬には、昇給やボーナスなどの金銭的報酬だけでなく、昇進や称賛といった心理的報酬も含まれます。
ロックの目標達成理論
ロックの目標達成理論とは、設定した目標に応じてモチベーションの高低が決まるという理論です。特に、設定した目標が困難であり、かつ明確であるほどモチベーションが向上します。ただし、社員の仕事に対する熱意などに応じて、求める目標の難易度が異なるため、目標を難しくする場合は本人に同意を得る必要があります。
モチベーションアップの方法には「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」がある
内発的動機づけ:好奇心など内面からの刺激で行動しようとすること
内発的動機づけとは、好奇心や興味関心といった、自分の内面からの刺激で行動を起こすことを指します。内発的動機づけで向上したモチベーションは長く続きます。社員に仕事へのやりがいを見出してもらい、仕事に主体的に取り組んでもらうよう工夫をしましょう。
内発的動機づけに関する詳細は、以下の記事をご覧ください。
外発的動機づけ:報酬など外部からの刺激で行動しようとすること
外発的動機づけとは、報酬や評価などの外部からの刺激で行動を起こすことを指します。外部からの刺激には、報酬や称賛などのポジティブな要素だけでなく、罰則などのネガティブな要素も含まれます。外発的動機づけは、手法が明らかで実行しやすいメリットがありますが、高いモチベーションの維持が難しいため、内発的動機づけを行うことが最も効果的です。
外発的動機づけに関する詳細は、以下の記事をご覧ください。
社員のモチベーションアップに有効な施策例
企業のミッションやビジョンを浸透させる
社員のモチベーションが低下する原因に、仕事のやりがいを見出せていないことや、組織に一体感を抱けていないことが挙げられます。そこで、企業のミッションやビジョンを浸透させ、社員の仕事がどのように貢献できているのかを示しましょう。また、ミッションやビジョンが浸透していれば、社員が同じ目標に向かって働くため、組織内で一体感も生まれます。
企業のミッションやビジョンを社内に貼り出したり、会議の際に確認したりすることで、社員がこれらに日々触れる機会を増やしましょう。
十分な教育制度や挑戦できる環境を提供する
十分な教育制度や挑戦できる環境を提供すれば、社員の成長機会が増えるためモチベーションを高めることができます。実際の業務を通して指導するOJT研修を実施し、日頃から助言を与える機会を作りましょう。また、挑戦しやすい環境にあれば、仕事に対するやりがいを感じることが多く、達成感を味わう機会も増えます。失敗しないようなサポートや、失敗した際のメンタルケアを心掛けましょう。
OJT研修については、以下の記事をご覧ください。
メンター制度を導入する
メンター制度とは、上司と新入社員が1対1で仕事やプライベートに関して話すための機会を設ける制度です。メンター制度では、仕事の目標を一緒に考えたり、新入社員の組織での役割を明確化したりします。
また、上司が新入社員の相談役となることで、新入社員の成長機会の創出に加えメンタルケアも行えます。これにより、上司と新入社員の間に信頼関係が生まれ、職場仲間との良好な関係を築くこともできるでしょう。
メンター制度については、以下の記事をご覧ください。
正当な評価制度を実施する
自身の働きに対して評価が不適切であれば、社員のモチベーションは低下する一方です。正当な評価制度を実施して、社員が納得する評価ができるよう心掛けましょう。特に、成果だけでなく行動も評価することが重要です。評価が正当であれば、自身の努力が会社への貢献度へとつながっていることを実感でき、やりがいを見出してさらに努力するという好循環を生み出せます。
オフィスのレイアウトや人材配置を改める
オフィスのレイアウトを工夫し、社員がコミュニケーションを取りやすい空間を提供しましょう。また、開放感のあるような席配置にすることで、ストレスの感じにくい職場を提供できます。
もし、社員同士の相性が合わず悪影響を生んでいる場合は、人材配置を改めることも必要です。社員にヒアリングをして、希望が叶うように人材を配置しましょう。
今さら聞けない、営業マネージャーが知っておくべきKPI・KGI
無料でダウンロードするために
以下のフォーム項目にご入力くださいませ。